糖尿病・内分泌内科Medical Content

● Diabetes internal medicine糖尿病内科

糖尿病の一歩手前だよ、尿酸値やコレステロールが高めだねといわれたら

健康診断でこれらの数値が高いと言われた場合、あなたの身体には糖尿病、脂質異常症、高尿酸血症が隠れているかもしれません。
これらの疾患は、いま現時点で自覚症状はなくとも、知らず知らずのうちに血管や臓器を痛める恐ろしい病気です。
「今はなにも困っていないから」と放置せずに、一度精密検査をしてみましょう。

糖尿病とは

糖尿病は、血中の糖(血糖値)の量が正常範囲を超えてしまうことを指します。血糖値は膵臓から出てくるホルモンのインスリンによって低下しますが、様々な要因によってインスリンの効果が減弱する、あるいはインスリンの分泌量が減ってしまうことで血糖値のコントロールがつかなくなってしまいます。
血糖値の上昇を放置すると、短期的には体重減少や倦怠感を引き起こし、感染症に罹りやすくなります。長期的には神経、網膜、腎臓といった細い血管や、脳や心臓といった太い血管にダメージをきたし、下肢切断、網膜剥離、腎不全、脳梗塞、心筋梗塞といった重篤な疾病を引き起こす可能性があります。
「昔は太っていたけど、急に痩せてきた」「最近喉が乾いて仕方がない、昼夜を問わずトイレが近い」といった症状が初期症状として特徴的です。これらの症状ある場合は、早期に受診しましょう。

脂質異常症とは

脂質異常症は、血中のLDLコレステロール(悪玉コレステロール)やTG(中性脂肪)が高くなることや、HDLコレステロール(善玉コレステロール)が低くなることをいいます。脂質は栄養源になったり、ホルモンの原材料になったりと、身体に不可欠な栄養素です。
一方で、過剰に摂取すると、悪玉コレステロールや中性脂肪が血中に滞留し、全身の血管にプラーク(脂肪の塊)を形成します。これを動脈硬化といい、プラークが破綻することで、心臓や脳の血管が詰まってしまい、心筋梗塞や脳梗塞を引き起こします。
善玉コレステロールは血管内の余分なコレステロールを回収してくれますが、運動不足などが原因で低下してしまうと、コレステロールの回収ができず、動脈硬化が進んでしまいます。
脂質異常症はまったく症状がありません。突然脳梗塞や心筋梗塞を引き起こすおそれがありますので、健康診断で指摘された場合は早期に受診をおすすめします。

高尿酸血症とは

高尿酸血症は、血中に尿酸が溜まってしまう疾患を指します。尿酸はプリン体と呼ばれる物質が代謝されたものです。プリン体は体内で生成されるほか、食事によって体内に取り込まれます。有酸素運動などでエネルギーとして消費されますが、運動不足ではプリン体が消費されず、尿酸として蓄積してしまいます。プリン体は、遺伝情報を伝えるための物質である核酸の構成物質であるため、魚卵などに多く含まれています。
高尿酸血症を放置すると、全身の関節に結節ができてしまう、「痛風」を発症する可能性があります。痛風の痛みは「風が当たるだけで痛い」といわれるくらい強く、生活の質を大幅に低下させます。また、人体において重要な臓器である腎臓に結節ができると、腎臓の機能低下を引き起こし、最悪の場合は透析が必要になることもあります。
痛みが出ると医療機関を受診される方が多いですが、可能であれば痛風になる前に治療をすることが望ましいです。健診で指摘されたら早めに受診しましょう。

診療内容

これらの疾患の治療は、食事療法、運動療法、薬物療法を中心として行われます。特に食事療法、運動療法が重要であり、適切なカロリーと適度な運動が治療の基礎となります。薬物療法は、多種多様な内服薬を患者さんのライフスタイルに併せて組み合わせて治療を行います。
糖尿病の患者さんで膵臓からのインスリン分泌が極端に低下している場合は、インスリンを患者さんご自身で注射する治療を行います(インスリン自己注射)。インスリン注射をする場合は低血糖のリスクが増加しますので、定期的な指先での血糖測定器を行います。

受診のイメージ(糖尿病の場合)

健康診断などで血糖高値を指摘された場合は、糖尿病以外で血糖値が上昇している場合も考慮し、各種採血や必要に応じて画像検査を行います。
治療は食事・運動療法を基礎とし、内服薬・注射製剤を組み合わせます。血糖コントロールはストレスや気温といった影響で鋭敏に変動しますので、基本的には1ヶ月おきに指先で採血を行い、1-2ヶ月の血糖推移の指標であるHbA1c(ヘモグロビンエーワンシー)を確認し治療が適切に行えているかを判断します。また、合併症の進行が無いかは3ヶ月おきに採血や尿検査でチェックします。

● Endocrinology内分泌内科

甲状腺が大きい、血圧が高めだといわれたら

健康診断でこれらを指摘された場合、あなたの身体には甲状腺疾患や二次性高血圧などの内分泌疾患が隠れている可能性があります。
内分泌疾患は、体内の臓器や組織から分泌されるホルモンの量が極端に多すぎたり、少なすぎたりすることで起こる疾患の総称です。ホルモンは個体の成長や外部環境の変化に対応するため分泌されますが、分泌される量が多すぎても少なすぎても疾患を引き起こします。
内分泌疾患は、外部からのホルモン補充や、内部のホルモンの働きを抑制することで、コントロールすることができますので、健診で指摘をされたら、病気が隠れていないか一度調べて見ましょう。

甲状腺疾患とは

甲状腺は、のどぼとけの下にある蝶々のような形をした臓器で、活発に活動するために必要な甲状腺ホルモンを分泌しています。この甲状腺ホルモンが多かったり少なかったり、あるいは甲状腺本体が腫れてしまうことを総称して甲状腺疾患といいます。
甲状腺ホルモンが過剰に出る疾患の「バセドウ病」は、前頸部の腫れ、動悸や息切れが特徴で、場合によっては眼球が突出することがあります。甲状腺ホルモンの分泌が少ない疾患は「橋本病」という、脱毛や倦怠感が特徴で、不妊の原因になることもあります。
甲状腺疾患は頻度が高い上に日常生活に支障をきたすことが多い疾患ですが、一時的な体調不良として放置されていることがあります。「なんだか最近調子が悪い、喉も腫れているような感じがするし」、このように感じている方は、早めの検査をおすすめします。

二次性高血圧症とは

高血圧症は、収縮期血圧や拡張期血圧が高くなることをいいます。高血圧症の患者さんのほとんどは原因のはっきりしない「本態性高血圧症」ですが、何かしらの原因で高血圧となっている「二次性高血圧症」が隠れていることがあります。
二次性高血圧症の原因として近年注目されているのが、腎臓の上にある副腎という臓器からアルドステロンという血圧を上昇させるホルモンが過剰に分泌される「原発性アルドステロン症」という疾患です。
原発性アルドステロン症は血圧を高くするだけではなく、心臓や脳の血管が傷んでしまうおそれがあり、放置しておくと突然心筋梗塞や脳梗塞を引き起こすおそれがあります。
「今まで気にしたことがなかったけど、血圧がすごく高いといわれた」「年齢に比べると血圧が高い」「最近急に頭が痛くなってきた」このような症状がある場合は一度調べて見ましょう。

診療内容

内分泌疾患の治療は、原因や症状に応じて薬物療法やホルモン補充療法が行われます。ホルモンのバランスを整えることで、体の機能を正常に保つことが目的です。内分泌疾患は診断が重要であり、空腹時に30分間横になってからの採血を必要とする場合があります。
バセドウ病などの甲状腺機能亢進症は甲状腺ホルモンの分泌を抑える内服薬で治療します。橋本病などの甲状腺機能低下症は甲状腺ホルモンを補充します。
原発性アルドステロン症の診断となり、内服薬での治療を行う場合は、アルドステロンの働きを抑制する内服薬で治療を行います。
二次性高血圧症の診断に至らない場合は、本態性高血圧症の診断で、食事療法、運動療法を行い、必要に応じて降圧薬を使用します。

受診のイメージ(甲状腺疾患の場合)

動悸や息切れ、倦怠感で受診された場合、甲状腺ホルモンと甲状腺に対する自己免疫疾患が無いかを採血で確認します。
健康診断などで甲状腺腫大を指摘された場合、超音波で甲状腺を検査し、腫瘤などが無いかを調べます。
甲状腺機能異常が見つかった場合は、まずは内服薬を開始し、数週間おきに採血を行い、内服薬の効果と副作用の有無を確認します。効果が認められ、重大な副作用を認めない場合は1-2ヶ月おきの採血と症状の推移を確認します。

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